「住宅性能評価書って何?取ったほうがいいの?」と迷っていませんか。言葉は聞いたことがあっても、等級の見方や、実際に何の役に立つのかは分かりにくいですよね。我が家は13年前に建てた家で、この評価書を受け取っています。

住宅性能評価書で迷っている人の悩み
  • 評価書が何を証明する書類なのか
  • 設計と建設の評価書の違い
  • 等級の見方と、高い等級の意味
  • 取る価値があるのかどうか
ハム
ハム
パパ、この分厚い書類なあに?
パパ
パパ
家の成績表みたいなものだよ。熊本地震のときも、この家は壁紙が破れたくらいで済んだんだ。

結論から言うと、住宅性能評価書は、家の性能を第三者が等級で証明してくれる書類です。我が家は耐震等級3の建設住宅性能評価書があり、熊本地震の被害は壁紙の破れと基礎の表面のひびでした。ただ正直に言うと、省エネは当時の最高等級でも、冬は寒いです。

この記事では、実物の評価書と検査の記録を見せながら、評価書の見方と、地震で感じたこと、取るメリットとデメリットをまとめます。

住宅性能評価書とは

第三者が家の性能を等級で証明する住宅性能評価書とは

住宅性能評価書とは、家の性能を、国が決めた共通のものさしで評価した書類です。

評価するのは住宅会社ではなく、国に登録された第三者の評価機関です。

住宅性能評価書は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづく住宅性能表示制度の書類です(国土交通省)。耐震性や省エネ性などを等級や数字で表すので、ほかの家と比べやすくなります。まずは、制度の仕組みと評価書の2つの種類の話からです。

第三者が家の性能を等級で示す書類

住宅性能表示制度では、家の性能を10の分野に分けて評価します。

新築住宅では、「構造の安定」「劣化の軽減」「維持管理・更新への配慮」「温熱環境・エネルギー消費量」の4分野が必ず評価する項目です。住宅会社の「うちは地震に強いです」という説明ではなく、第三者が同じ基準で確かめた結果が書かれています。

設計評価書と建設評価書の違い

住宅性能評価書の種類は、全部で2つ。

種類時期方法
設計評価書設計の段階図面を審査
建設評価書工事中〜完成現場を検査

設計評価書は「図面どおりならこの性能」、建設評価書は「実際に建った家がこの性能」という違いがあります。これから建てる人は、設計だけで終わらず、建設評価書まで取るのかを確かめておくと安心です。

我が家は建設評価書で検査4回

我が家の評価書は、建設住宅性能評価書です。

我が家の建設住宅性能評価書の表紙(一戸建ての住宅・新築住宅)
我が家の建設住宅性能評価書。住所などの部分は隠しています

ハウスメーカーの標準の「性能評価付優良プラン」に入っていたため、自分たちで特別に申し込んだわけではありません。手元にある検査アルバムを見ると、工事中から完成まで、4回の現場検査を受けていました。

建設住宅性能評価で受けた4回の現場検査の検査アルバム
手元にある検査アルバム。工事中から完成まで、4回の検査を受けています

基礎の鉄筋、柱や梁などの骨組み、壁の中の下地、完成した建物。普段は見られない部分も、第三者が確認してくれていたことが分かります。

我が家の評価書の等級

耐震等級3で省エネは当時の最高等級だった我が家の住宅性能評価書の等級

ここで紹介するのは、我が家の評価書に書かれた等級そのままです。

耐震は最高等級の3でしたが、項目によっては等級1のものもあります。

項目我が家の等級
耐震等級(倒壊等防止)3
耐震等級(損傷防止)3
省エネルギー対策等級4(当時の最高)
劣化対策等級3
維持管理対策等級3
ホルムアルデヒド発散等級3
耐風等級1
感知警報装置設置等級1
高齢者等配慮対策等級1

数字が大きいほど性能が高いのが基本ですが、等級1が「悪い」という意味ではありません。それぞれの等級が何を表しているのか、我が家の暮らしと合わせて見ていきます。

耐震等級3は最高等級

耐震等級は1から3まであり、3が最高です。

等級1は建築基準法と同じ水準で、等級3は、数百年に一度ほどの大きな地震の1.5倍の力に対しても倒れたり崩れたりしない程度とされています。我が家は「倒壊等防止」と「損傷防止」のどちらも等級3でした。

倒壊等防止は「家が倒れないか」、損傷防止は「大きな修理が必要な傷みが出ないか」を表す項目です。

省エネ等級4でも冬は寒い

省エネルギー対策等級は、当時は4段階で、我が家の4は最高等級でした。

それでも、冬の寒さには今も悩んでいます。最高等級だから快適とは限らない、というのが13年住んだ本音です。寒さ対策として内窓を付けた話は、二重窓の記事や断熱リフォームの記事で書いています。

その後、2022年には断熱の等級に5〜7が新しく作られました(国土交通省の資料)。さらに2025年4月からは、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務になっています(国土交通省)。当時の最高等級が、今では新築の当たり前の水準に近くなっています。

等級1の項目の意味

我が家には、耐風・感知警報装置・高齢者等配慮の3つが等級1の項目があります。

一般的に、等級1は「法律で決められた最低限の水準を満たしている」という意味です。等級1でも基準は満たしているので、欠陥があるということではありません。

ただ、高齢者等配慮(段差や手すりなど)は、年を重ねてからの暮らしに関わる項目。これから建てる人は、将来の暮らしも考えて等級を選ぶといいかなと思います。

熊本地震で受けた被害

壁紙の破れと基礎の表面のひびだった耐震等級3の家が熊本地震で受けた被害

2016年の熊本地震のとき、我が家はこの家に住んでいました。

家の被害は、壁紙の破れと、基礎の表面のひびでした。

耐震等級3の家が大きな地震でどうだったのかは、これから建てる人がいちばん知りたいことだと思います。ここでは、家の被害と家の中の様子、そして建てる前の地盤調査の結果を紹介します。ただし、被害が少なかった理由は、耐震等級だけでは説明できないかもしれません。我が家の場合として読んでください。

壁紙の破れと基礎の表面のひび

家全体で、壁紙が10か所ほど破れました。

基礎にも3か所、うっすらとひびが入りましたが、どれも表面だけの、うっすらとしたひびでした。

地震保険では「一部損」と判定され、保険金を受け取っています。

食器も家電も無事だった家の中

家の中では、皿などの食器は割れず、電化製品も無事でした。

被害を見に来てくれた保険会社の担当者からは、少し離れたところでは家の中がぐちゃぐちゃだったと聞きました。同じ地震でも、家や場所によって被害は大きく違っていたようです。

地盤調査で分かった良好な地盤

被害が少なかったのは、地盤の影響もあるのかもしれません。

軟弱地層なしでベタ基礎で対処できるとした地盤調査報告書の調査結果
地盤調査報告書の調査結果。注意が必要な軟弱な地層は「無」でした

家を建てる前の地盤調査では、台地にある造成地で、注意が必要な軟弱な地層は「無」という結果でした。全体として比較的良好な地盤で、標準のベタ基礎で対応できると書かれています。地盤調査の費用は、84,000円でした。調査の様子や報告書の見方は、地盤調査の記事でくわしく書いています。

パパのひとこと

耐震等級に加え、ここは家を建てる前の地盤調査でも業者の方がしっかりしているといっていたから、それも被害が少ない要因なのかも。

評価書を取るメリット

地震保険の割引と性能の見える化という住宅性能評価書を取るメリット

住宅性能評価書の主なメリットは、性能を数字で確かめられることと、地震保険の割引などです。

評価書は、建てたあとも家の性能を証明できる「証拠」として使えます。

一般的には、地震保険の割引のほかに、住宅ローンの手続きでの証明や、トラブルになったときの紛争処理など、いくつかの使い道があるのが特徴です。ここでは、我が家で実際に使ったことと、これから役に立ちそうなことを分けて紹介します。

地震保険の耐震等級割引

我が家は地震保険で、耐震等級割引を受けています。

地震保険の書類に記載された耐震等級割引30%
2013年に契約した地震保険の書類。耐震等級割引(30%)が付いています

2013年に契約したときの書類では、割引は30%でした。今の制度では、耐震等級3の割引は50%になっています。財務省の資料でも、耐震等級3は50%、等級2は30%、等級1は10%と説明されています(財務省)。

古い契約を更新している人は、最新の書類で割引が何%になっているか、一度確かめておくと安心です。

性能を数字で比べられる安心

評価書があると、家の性能を「なんとなく」ではなく数字で知ることができます。

リフォームや建て替えを考えるときも、今の家の性能を出発点にして考えられます。我が家も、この記事を書くために評価書を見直し、どの項目が何等級なのかを確かめました。

売るときの資料になる可能性

一般的に、評価書は家を売るときに、性能を説明する資料として使えると言われています。

我が家は今、この家を売るか、建て替えるか、リフォームするかを迷っている途中です。我が家も、これから今の家の査定を受ける予定です。

評価書を取るデメリット

費用と間取りの制限に注意が必要な住宅性能評価書を取るデメリット

一方で、住宅性能評価書にはデメリットや注意点もあります。

評価書の等級が高くても、暮らしの悩みがすべてなくなるわけではありません。

一般的によく挙げられるのは、費用や手間、設計の自由度への影響です。我が家はメーカーの標準プランに含まれていたので評価書だけの費用は分かりませんが、間取りでは思いどおりにいかなかったこともありました。我が家の経験と一般的な注意点を並べて紹介します。

取得にかかる費用

住宅性能評価書を取るには、評価機関への評価料金などの費用が必要です。

評価料金は評価機関によって異なると、住宅性能評価・表示協会も説明しています(住宅性能評価・表示協会のQ&A)。

我が家は標準プランに含まれていたため、評価書だけにいくらかかったのかは分かりません。これから建てる人は、見積もりの段階で、評価の費用が含まれているかを聞いておくと安心です。

間取りの要望が通らないことも

我が家は、メーカーの間取りをもとに要望を足していく建て方でした。

その中で、耐震性の関係で動かせない壁があり、収納から廊下へ通り抜けたかった壁は、構造上抜けないと言われてあきらめました。

構造上抜けないと言われて通り抜けをあきらめた壁
本当はこの壁を抜いて、収納から通り抜けたかった場所

耐震等級3と直接関係していたのかは分かりません。ただ一般的に、地震に強くするほど、動かせない壁が増えやすいと言われています。間取りの後悔は、注文住宅の後悔の記事でもまとめています。

最高等級でも暮らしの快適さは別

評価書の等級は、決められた基準を満たしているかどうかを表すものです。

等級が高いことと、住んで快適に感じるかどうかは、必ずしも同じではありません。我が家も、省エネは最高等級でしたが、廊下やトイレ、脱衣所の寒さに悩んできました。

窓の性能や暖房の計画、間取りなど、等級に表れない部分も一緒に考えておくほうが、住んでからの後悔は少ないかなと思います。

これから建てる人の確認点

地盤とハザードマップを確かめたいこれから家を建てる人の確認点

ここからは、13年住んで地震も経験した施主として、これから建てる人に確認してほしいことをまとめます。

評価書の等級だけでなく、土地と地盤もあわせて見ておきたいところです。

我が家は、たまたま地盤が良い場所だったことも、被害が少なかった理由の一つかもしれません。逆に言えば、建物の性能を上げても、土地や地盤の状態によって結果は変わります。建てる前にできる確認を3つ紹介します。

地震も見たいハザードマップ

我が家も、建てる前にハザードマップは確認していました。

ただ、そのときに考えていたのは、大雨や洪水などの風水害が中心でした。地震のことは、あまり考えていませんでした。

パパのひとこと

災害に強い場所でよかった。建てる前にハザードマップは確認したけど、地震はあまり考えていなかった(風水害メイン)。

ハザードマップは、洪水だけでなく、地震の揺れやすさや土砂災害なども確認できるものがあります。

地盤調査報告書の読み方

地盤調査をすると、報告書で地盤の状態と、おすすめの基礎の種類が分かります。

我が家の報告書では、「注意が必要な軟弱な地層の有無」「基礎の種類」が分かりやすくまとめられていました。まずは軟弱な地層があるかどうかと、地盤を補強する工事が必要かどうかを確認するのがポイントです。

地盤の補強が必要な場合は、その分の費用もかかるので、見積もりに含まれているかも見ておくと、あとで慌てずに済みます。我が家の地盤調査にかかった費用や、報告書の結果の見方は、地盤調査の費用の記事でくわしく書いています。

建設評価書まで取るかの確認

住宅性能評価書を取る場合は、設計評価書だけか、建設評価書まで取るのかを最初に聞いておくのが確実です。

建設評価書なら、工事中の現場検査を受けた記録も残ります。我が家の検査アルバムのように、普段は見えない基礎や骨組みの状態を確かめた証拠になります。

評価書のよくある質問

受け取る時期やあとからの取得など住宅性能評価書のよくある質問

最後に、住宅性能評価書についてよくある質問をまとめました。

制度の細かい決まりは変わることがあるので、くわしくは評価機関や住宅会社に確かめてください。

評価書を受け取る時期や、あとから取れるのか、住宅ローン控除や長期優良住宅との関係など、迷いやすい点を中心に答えています。我が家で分かることは我が家の場合として、それ以外は一般的な内容として書きました。

評価書はいつもらえるか

設計評価書は設計の段階、建設評価書は建物が完成して検査を終えたあとに交付されるのが一般的です。

正直、私ははっきり覚えていないのですが、完成のころに、登記などの書類と一緒に受け取ったと思います。大事な書類なので、登記などの書類と一緒に保管しておくと安心です。

あとから取得できるか

建設評価書は工事中の検査が必要なので、完成したあとに新築と同じ内容で取るのは難しくなります。

ただし、すでに建っている家を対象にした「既存住宅」の性能評価の仕組みがあります。くわしくは国土交通省のページで確認できます(国土交通省)。

住宅ローン控除との関係

2024年以降に入居する新築住宅では、住宅ローン控除を受けるために、省エネ基準を満たしていることの証明が必要です。

その証明書類の一つとして、建設住宅性能評価書の写しが使えます。断熱の等級と一次エネルギー消費量の等級が、どちらも4以上であることが条件です(国土交通省)。

長期優良住宅との違い

長期優良住宅は、長く住み続けられる家として、自治体などから認定を受ける制度です。

住宅性能評価書は性能を評価する書類で、長期優良住宅は認定の制度という違いがあります。我が家は評価書に加えて、長期優良住宅の認定も受けていて、認定通知書が手元にあります。

我が家の長期優良住宅建築等計画の認定通知書
長期優良住宅の認定通知書。住所などの部分は隠しています

見積書の仕様の欄にも、「長期優良住宅仕様」と書かれていました。認定を受けて13年住んだ感想は、長期優良住宅の記事にまとめています。認定を受けた家に13年住んでみた本音は、長期優良住宅の後悔の記事にまとめました。

トラブルのときの紛争処理

評価書のある家は、住宅会社とのトラブルのときに、弁護士会の紛争処理の仕組みを使うことができます。

国土交通省のページでも、全国の弁護士会が指定住宅紛争処理機関として紹介されています。裁判よりも手軽に相談できる仕組みとして、知っておくと安心です。

評価書の有効期限

評価書そのものに、期限が書かれているわけではありません。

ただ、我が家の評価書の表紙には、「時間経過による変化がないことを保証するものではない」と書かれています。評価書は、建てたときの性能を証明するもので、今の状態を保証するものではありません。

まとめ|評価書は家の成績表

住宅性能評価書は家の成績表というまとめ

住宅性能評価書は、家の性能を第三者が等級で証明してくれる、家の成績表のような書類です。

我が家は耐震等級3で、熊本地震の被害は壁紙の破れと基礎の表面のひびでした。

この記事のまとめ
  • 第三者が性能を等級で示す書類
  • 建設評価書なら現場検査の記録も
  • 耐震等級3で熊本地震は軽い被害
  • 省エネ最高等級でも冬は寒い
  • 地震保険の割引率も要確認

これから建てる人は、建設評価書まで取るか、地盤調査とハザードマップで地震のことも確かめておくと安心です。すでに住んでいる人は、評価書を探して、地震保険の割引が今の率になっているかを一度見ておくといいかなと思います。

我が家は今、この家を売るか、建て替えるか、リフォームするかを迷っている途中です。正直、まだ答えは出ていません。その検討の記録も、このブログで続けて書いていきます。