長期優良住宅で後悔?13年住んで分かった「認定=暖かい」の誤解
「長期優良住宅にすると後悔するって本当?」と迷っていませんか。ネットで調べると、申請費用や点検の手間など、デメリットの話もたくさん出てきますよね。我が家は13年前、長期優良住宅の認定を受けた家を建てて、今もその家に住んでいます。
- 認定を受ける価値があるのか
- 点検や手入れの手間と費用
- 認定の家なら暖かいのか
- 住んだ人の本当の感想
正直に言うと、我が家は長期優良住宅にしたことを、特に後悔はしていません。熊本地震でも、被害は壁紙の破れと基礎の表面のひびでした。ただ、「長期優良住宅なら暖かい家」と思っていたら、それは誤解です。
この記事では、認定を受けて13年住んだ施主として、断熱の現実、定期点検とシロアリの話、一般的に後悔といわれる点を、我が家の場合と並べてまとめました。
我が家の長期優良住宅

まずは、我が家がどんな長期優良住宅なのかを紹介します。
我が家は、長期優良住宅の認定と、建設住宅性能評価書の両方を受けています。どちらも、ハウスメーカーの標準のプランに入っていたものです。
長期優良住宅とは、長く良い状態で住み続けられるように、国の基準に合わせて建てた家を、自治体などが認定する制度です(国土交通省)。耐震性や劣化対策、省エネ性、点検の計画などが基準になっていて、認定を受けると税金や住宅ローンの優遇があります。ここからは、我が家の書類と、13年住んで分かったことを順番に書いていきます。
メーカー標準で受けた認定
我が家は、自分たちから「長期優良住宅にしたい」と希望したわけではありません。
ローコストのハウスメーカーの「性能評価付優良プラン」という標準のプランに、認定と評価書が含まれていました。手続きもメーカーに任せていたので、正直なところ、私は細かいことまで意識していませんでした。

手元には、所管の行政庁から届いた認定通知書が残っています。
評価書で見る我が家の等級
家の性能は、一緒に受けた住宅性能評価書で確かめられます。
| 項目 | 我が家の等級 |
|---|---|
| 耐震等級(倒壊等防止) | 3 |
| 劣化対策等級 | 3 |
| 維持管理対策等級 | 3 |
| 省エネルギー対策等級 | 4(当時の最高) |
耐震・劣化対策・維持管理はどれも最高の等級3で、省エネも当時の最高等級でした。評価書の見方や全部の項目は、住宅性能評価書の記事で実物の写真と一緒に紹介しています。
熊本地震で受けた被害
2016年の熊本地震のとき、我が家はこの家に住んでいました。
家の被害は、壁紙が10か所ほど破れたことと、基礎の表面にうっすらとひびが3か所入ったことです。食器は割れず、電化製品も無事でした。
耐震等級3だったことが、どこまで影響したのかは分かりません。建てる前の地盤調査で「良好な地盤」とされていたことも、理由の一つかもしれません。地盤調査の費用や報告書の中身は、地盤調査の記事で紹介しています。
認定でも冬は寒い理由

長期優良住宅に13年住んで、一番伝えたいのがこの話です。
長期優良住宅の認定を受けていても、冬の我が家は寒いです。廊下やトイレ、脱衣所の寒さには、毎年悩まされてきました。
パパのひとこと
特に後悔はないけど、断熱性能がこの程度で長期優良住宅なんだ、と思っている。
認定の家なら暖かいはず、と考える人は多いかなと思います。でも、認定の基準は「その時代の基準」で決まっていて、今と13年前とでは大きく違います。当時と今の基準を、公式の資料で比べてみました。
当時の省エネ基準は等級4
我が家が建った2013年ごろ、長期優良住宅に求められていた省エネの基準は、「省エネルギー対策等級4」でした。
我が家の評価書にも、省エネは等級4と書かれています。これは当時の最高等級で、その時点では十分な性能とされていたのです。
ところが、この等級4は、2025年4月からはすべての新築住宅に義務づけられた水準とほぼ同じ。13年の間に、家に求められる性能が大きく上がったということです。
2022年10月から上がった認定基準
長期優良住宅の省エネの基準は、2022年10月に引き上げられました(表の「等級」は断熱の等級、「一次エネ等級」は家で使うエネルギーの少なさの等級です)。
| 項目 | 2013年ごろ | 2022年10月〜 |
|---|---|---|
| 断熱 | 等級4 | 等級5 |
| 省エネ | − | 一次エネ等級6 |
今の長期優良住宅は、ZEH(ゼッチ)と同じ水準の断熱が求められています。国土交通省の資料でも、省エネの基準をZEH水準に引き上げたと説明されています(国土交通省の資料)。
つまり、同じ「長期優良住宅」でも、建てた年によって性能はまったく違います。中古で買う場合や、昔の認定の家と比べる場合は、建てた年も一緒に見ておくと安心です。
寒さ対策は窓だけでは足りなかった
我が家は寒さ対策として、4年前に19か所の窓に内窓を付けました。

結露はなくなりましたが、暖房を切った朝の寒さは、あまり変わりませんでした。くわしくは二重窓の記事や断熱リフォームの記事に書いています。
13年間の定期点検とシロアリ

長期優良住宅では、建てたあとも計画どおりに点検や手入れをすることが求められるのが特徴です。
国の基準では、少なくとも10年ごとに点検を行う決まりです。点検の時期や内容は、認定を受けるときに出した維持保全計画で決まっていて、記録を残しておくことも求められています。
ここからは、我が家が実際に受けてきた点検と、その中で聞いた話を紹介します。記憶があいまいな部分は、あいまいなまま正直に書きました。
点検は何年か受けてきた
ハウスメーカーの定期点検は、建ててから何年か受けてきました。
どの年にどんな点検を受けたのか、正直なところ、すべては覚えていません。その中で特に記憶に残っているのが、シロアリと床下の点検です。
5年と10年のシロアリの薬
私の記憶では、シロアリと床下の点検は5年目と10年目の2回でした。
どちらのときも、シロアリの薬をまき直してもらいました。費用はかからなかったと記憶していますが、はっきりとは覚えていません。
一般的には、シロアリの薬の効果は5年ほどといわれていて、まき直しが有料になることもあります。これから建てる人は、点検と薬のまき直しの費用を、契約前に聞いておくと安心かなと思います。
近くの住宅地で聞いたシロアリ被害
点検に来た業者さんから、印象に残る話を聞きました。
近くの別の住宅地では、我が家と同じ時期に建った家で、シロアリの被害が出ているそうです。同じころに建った家でも、場所や環境によって被害の出方が違うことを知りました。
一般的にも、床下は自分ではなかなか見られない場所です。定期的に点検を受けておくことで、被害に早く気づきやすくなります。
長期優良住宅の後悔といわれる点

ここからは、一般的に「長期優良住宅の後悔」といわれる点を、我が家の場合と並べて見ていきます。
よく挙げられるのは、申請の費用と時間、間取りの制限、点検と記録の手間です。
どれも、ハウスメーカーや工務店の解説でよく紹介されている内容です。我が家はメーカーの標準プランだったため、感じ方が違う部分もあります。建てる前の人が判断しやすいように、正直に書きました。
申請費用と工期
長期優良住宅にするには、申請の手数料や書類づくりの費用がかかり、着工までの時間も長くなりやすいといわれています。
我が家は標準プランに含まれていたので、申請の費用や時間を、自分で意識したことはありませんでした。これから建てる人は、見積もりに含まれているかだけは確かめておきたいところです。
間取りの制限
長期優良住宅では耐震などの基準を満たす必要があるため、間取りの自由度が下がることがあります。
我が家でも、本当は通り抜けたかった壁を、構造上抜けないと言われてあきらめました。長期優良住宅だったからかは分かりませんが、地震に強くするほど、動かせない壁は増えやすいものです。

点検と記録の手間
認定を受けたあとは、計画どおりに点検や手入れを行い、その記録を残すことが求められます。
国土交通省の案内では、計画どおりにメンテナンスをしないと改善を求められ、従わない場合は認定が取り消されることがあると説明されています(国土交通省の案内)。増築やリフォームをするときには、事前に計画変更の手続きも必要です。
我が家のように、将来リフォームや建て替えを考えている人は、この手続きも頭の片すみに置いておくといいかなと思います。
長期優良住宅のメリット

後悔といわれる点がある一方で、長期優良住宅には大きなメリットもあります。
税金や住宅ローンの優遇、地震保険の割引など、お金の面のメリットは大きいです。
我が家は手続きをメーカーに任せていたため、どの優遇をどれだけ受けたのかは、正直なところ把握できていません。ここでは、国土交通省の資料などで確かめた一般的な内容と、我が家で確認できたことを分けて紹介します。
税金や住宅ローンの優遇
長期優良住宅は、一般の住宅より税金の優遇が手厚くなっています。
| 項目 | 優遇(新築の戸建て) |
|---|---|
| ローン減税 | 借入の上限4,500万円 |
| 固定資産税 | 半額の期間が5年(一般3年) |
| フラット35 | 当初5年間の金利を引き下げ |
表の内容は、国土交通省のパンフレットにある今の制度です。条件や期限があるので、最新の情報は国土交通省の資料で確かめるのが確実です。
地震保険の耐震等級割引
長期優良住宅や評価書の書類を出すと、地震保険の割引を受けられます。
我が家は、2013年に契約した地震保険で、耐震等級割引(30%)が付いていました。今の制度では、耐震等級3の割引は50%になっています。古い契約の人は、更新の書類で割引の率を一度見ておくと安心です。
売るときの資料になる可能性
一般的に、長期優良住宅の認定は、家を売るときに性能を説明する資料になるといわれています。
ただし、売るときは認定を引き継ぐ手続きも必要になります。我が家は、売る・建て替える・リフォームするのどれにするかを迷っている途中で、これから今の家の査定を受ける予定です。
建てる前に確認したいこと

13年住んだ経験から、これから長期優良住宅を建てる人に、確認してほしいことをまとめました。
「認定を受けているか」より、「中身の性能」と「建てたあとの費用」を見るほうが大事かなと思います。
長期優良住宅は、今の基準なら断熱も十分に高い家です。それでも、地域や間取り、暖房の計画によって住み心地は変わります。認定はあくまで最低ラインと考えて、次の3つを確かめておけば、我が家のような「思っていたのと違う」は減らせそうです。
断熱は等級と数字で確かめる
断熱の性能は、等級だけでなく、UA値という数字でも確かめられます。
UA値は、家全体から熱が逃げる量を表す数字で、小さいほど暖かい家です。同じ長期優良住宅でも、会社によって数字は違うので、何社か比べてから決めると後悔が減るかなと思います。くわしくは注文住宅の後悔の記事でもまとめています。
定期点検の内容と費用
建てたあとの点検は、何年目に、何を、いくらで行うのかを聞いておくと安心です。
特にシロアリの薬のまき直しは、有料かどうかで、10年ごとの出費が変わります。保証の期間や、点検を受けないと保証がなくなる条件なども、契約前に聞いておくと安心です。
認定と評価書の書類の保管
長期優良住宅の認定通知書や評価書は、建てたあとも使う大切な書類です。
我が家も、評価書と認定通知書が手元に残っていたので、この記事を書くときに等級や内容をすぐに確かめられました。地震保険の割引や、売るときの説明にも使えます。登記の書類などと一緒に、まとめて保管しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
長期優良住宅のよくある質問

最後に、長期優良住宅についてよくある質問をまとめました。
制度の細かい決まりは変わることがあるので、くわしくは国土交通省や自治体の案内で確かめてください。
点検をしないとどうなるのか、何年もつのか、ZEHとの違いなど、建てる前に迷いやすい点を中心に答えています。我が家で分かることは我が家の場合として、それ以外は公式の資料をもとに書きました。
10年点検をしないとどうなるか
長期優良住宅では、計画に沿った点検や手入れが求められています。
国土交通省の案内では、行政から報告を求められたときに報告しない場合などは、30万円以下の罰金になることがあるとされています。認定が取り消されると、受けた補助金や税の優遇の返還を求められる場合もあるので、そこは要注意です。
長期優良住宅は何年もつか
長期優良住宅は、何世代にもわたって住めることを目標にした制度です。
国の基準でも、劣化対策は「数世代にわたり構造躯体が使用できること」とされています。ただし、実際に何年もつかは、点検や手入れをどれだけ続けるかで変わります。
ZEHとの違い
ZEH(ゼッチ)は、断熱と省エネ設備、太陽光発電などで、家で使うエネルギーをおおむねゼロにする住宅のことです。
長期優良住宅は、耐震や劣化対策、点検の計画なども含めて、長く住めることを認定する制度という違いがあります。2022年10月からは、長期優良住宅にもZEHと同じ水準の断熱が求められるようになりました。
あとから認定は受けられるか
すでに建っている家でも、条件を満たせば認定を受けられる仕組みがあります。
リフォームを伴う「増改築」の認定と、2022年10月から始まった「既存住宅」の認定です。どちらも基準を満たす必要があるので、リフォームを考えるときに、リフォーム会社に一緒に相談するのが早いと思います。
認定通知書をなくしたら
認定通知書をなくしてしまった場合は、認定を受けた自治体などの窓口に相談するのが基本です。
ハウスメーカーが申請の書類を保管していることもあります。まずは、家を建てた会社に問い合わせてみるのが早いかなと思います。
長期優良住宅にしなくてもいい人
短い期間で住み替える予定の人や、点検や記録の手間をかけたくない人は、無理に長期優良住宅にしなくてもよいかもしれません。
その分の費用で、断熱性能を上げるという考え方もあります。我が家で困ったのが寒さだったことを考えると、性能と費用のバランスで決めるのがいいかなと思います。
まとめ|認定より中身を見る

我が家は、長期優良住宅に13年住んで、特に後悔はしていません。
ただ、「長期優良住宅なら暖かい家」というのは誤解でした。
- 長期優良住宅にした後悔はなし
- 熊本地震の被害は軽く済んだ
- 当時の基準では冬は寒い
- 点検とシロアリの費用は契約前に
- 認定より断熱の数字を確かめる
これから建てる人は、認定を受けるかどうかだけでなく、断熱の等級やUA値、建てたあとの点検の費用まで確かめてから決めると安心です。いくつかの会社の資料を取り寄せて断熱の数字を比べるのが、いちばん手軽な方法かなと思います。
我が家は今、この家を売るか、建て替えるか、リフォームするかを迷っている途中です。正直、まだ答えは出ていません。長期優良住宅の家が査定でどう評価されるのかも含めて、その検討の記録をこのブログで続けて書いていきます。